リサーチの基礎知識
調査対象者の決め方

マーケティングリサーチにより、さらに有益な結果を得るためには、的確な調査対象者から回答を得る必要があります。ここでは、調査対象者の決め方について解説していきます。
調査対象者の決め方
調査対象者を決める際には、調査の目的や、予め立てておいた調査仮説を検証することを考慮する必要があります。それらを踏まえた上で、「地域」「性別」「年齢」「職業」「家族構成」「対象となる製品の利用経験の有無」等の基本的な条件を設定するようにしましょう。これらの設定を疎かにしてしまうと、見当違いなデータを収集してしまうと言ったことも起こり得るため、初期の段階からその設定は入念に行う必要があります。
基本条件の設定だけでは不十分なケースとは
一方で、調査対象者を決める際に、前項で紹介した基本条件の設定だけでは不十分となるケースも存在します。その一つが、比較対象を必要とするケースです。例えば、A社で発売されたとある新商品への満足度が80%であった場合、一見するとその満足度は高いようにも思えますが、同時期に発売された他社の競合商品への満足度が90%だった場合、この数字は決して良いとは言えません。そして、このような結果が見えてくるのは、調査対象者を決める初期の段階で、比較対象まで設定した場合のみです。このことから、あらゆる可能性を想定し、設定を行う必要があると言えるでしょう。
割付設定の方法
調査対象者を決める際に、どれくらいのサンプル数を集めるかを決めることを「割付設定」と言います。これにより、ランダムに対象者を選んだ場合に比べ、年齢や性別などにおいて、万遍なくサンプルを収集することが出来ます。また、サンプル数を決める際には、サンプリング調査の際に必ず発生する誤差を考慮し、その許容範囲を設定する必要があります。この設定基準は、統計学の観点から数値を設定した標本誤差早見表などを参考にすると良いでしょう。