ホームユーステスト (HUT)

ホームユーステスト (HUT)とは？

ホームユーステストは、「Home Use Test」の頭文字を取ってHUTとも呼ばれます。新商品や試作品などのサンプルを調査対象者に渡し、実際に家庭で使用してもらう調査です。普段の生活に近い環境の中でテスト品を使用してもらい、使用感や評価などを集計します。

調査対象は開発中の新商品のほか、リニューアル前後の商品、他社の競合製品などで、実際に利用した人から評価や感想を得られるため、より具体的な情報を獲得できるのが大きな特徴です。

ホームユーステスト (HUT)の仕組み

HUTでは新規顧客、既存顧客、どちらも対象に調査を行うことができます。課題や仮説を立てて対象を選定し、調査したい製品を調査対象者の自宅に送付して一定期間、実際に利用してもらい、回答はWebアンケートや紙の調査票などで実施。一定期間の調査を対象者に依頼できるので、初期・中期・終了期など、時間軸に沿った変化に関しての情報も収集可能です。

 

調査では、対象製品の使用前後の事前および事後調査を通じて、開発中の製品におけるコンセプトの確認を行ったり、想定したコンテキストで使用されているかに関するリサーチなどを実施するのが一般的です。

ホームユーステスト (HUT)の活用シーン

ホームユーステスト (HUT)のメリット・デメリット

ホームユーステスト (HUT)の注意点

より生活に基づいた意見を求めやすいホームユーステストですが、その特長を最大限に活かすために注意しておくべき事項は、主に3つあります。

 

（1）製品の状態管理

会場調査では調査主による厳重な管理下での試用が可能ですが、HUTでは状態管理がモニター任せになってしまいます。たとえば調理に関するテストを行う場合、温度や調理方法を指定しても監視できないため、ズレが生じる可能性があります。また、実施前に製品の破損の恐れも考慮しておくと良いでしょう。

 

（2）案内書・指示書の書き方

サンプルの概要や調査内容・スケジュール、試用方法や管理法などを提示する文書において、分かりにくい説明や誤植などがあると、モニターが誤った使い方をしてしまうことも。その結果、調査に影響が出る可能性が考えられます。案内書には専門用語をあまり多用せず分かりやすい表現を目指し、客観的にまとめることが重要です。

 

（3）調査対象者の選び方

途中離脱の可能性がゼロではないのがHUTです。途中でテスト使用をやめてしまう人を考慮したモニター数を確保して対策する他、モニターが離脱しにくい期間および作業工程の構築が調査成功への第一歩となります。