リサーチの基礎知識

調査仮説の大切さ

調査仮説の重要性

調査企画の作成においては、調査仮説をしっかりと立てる必要があります。ここでは、この調査仮説を立てることの大切さについて解説していこうと思います。

 

調査仮説とは

調査企画を立てる際に、「調査対象者」や「調査項目」の選定で悩む方は多い様です。これらは、調査において重視したい焦点が明確になっておらず、調査そのものの方向性が定まっていないことが原因であることが多い様です。調査仮説とは、調査によって得られる仮の答えであり、言い換えれば、調査に求める結果でもあります。そのため、この調査仮説を明確にしておけば、一貫した方向性を設定することができ、「調査対象者」や「調査項目」なども設定がしやすくなるでしょう。逆算して調査内容を決定できると言う意味でも、調査仮説は非常に重要であると言えるでしょう。

 

調査仮説を「調査対象者」や「調査項目」の選定に活用するには

続いては、前項でもふれた調査仮説を「調査対象者」や「調査項目」の選定に活用する方法を紹介します。ここでは、ビールを例にその活用方法を考えてみましょう。

近年、若者がビールを飲まなくなっていることから、飲料メーカーA社では、若者にビールを購入してもらうためのマーケティングを行うことにしました。そこで立てた調査仮説が「若者はビールに対しておじさんくさいと言うイメージを持っているのではないか」と言うものでした。この調査仮説を活用しA社では、調査対象者を20~39歳の男女とし、ビールに対するイメージや、CMへの起用を予定しているタレントのイメージを問う設問を調査項目に設定しました。

このように予め調査仮説を立てておくと、その方向性が明確になり、調査対象者や調査項目などの設定も容易に行えるようになります。また、調査仮説をより詳しく設定しておけば、有効な調査対象者の判別や、自社ブランドと他者ブランドとのイメージの違いと言った、副次的な内容に関しても、より詳しい結果を得られるでしょう。